小沢氏が、Newsポストセブンのインタビューで、民主党がなぜ解散したのか、いまだにわからないと述べている。あれだけ苦労して政権を握ったのに、その途端、民主党内は、派閥のようなものができてバラバラになり、議員同士、お互いを牽制しあうようになった。
一方の自民党は、選挙で負けたことをきっかけに、政権を取り戻すことを目指して一つにまとまった。
政治資金問題で、小沢氏が起訴されたときも、民主党が党として小沢氏を排除しようとせずに、擁護に回っていたら、昨年末の選挙で民主党がここまで負けることはなかっただろう。
小沢氏が党員資格停止処分されることなく、民主党内で力を発揮していれば、民主党がここまで国民を裏切るような行為を止めることができたのではないか。
自民、公明と談合を繰り返してきた野田前総理は、自分だけ救われればいいという気持ちで、民主党を解散したのだろう。その結果が、民主党でただ1人、去年の衆議院選挙で前回の参議院選挙よりも得票が上回ったというわけだ。
常識で考えたら、あれだけ失態を繰り返してきたメタボドジョウが、いくら現役の総理大臣だったからといって、前回の選挙よりも得票が上回るはずがない。まさに不正選挙と自公との談合のたまものである。
──旧体制の政治技術的なしたたかさというのは相当なもので、野党に転落した時の自民党は、徹底的にスキャンダル攻勢をかける。 昨年12月の総選挙で惨敗を喫した小沢一郎氏だが、改革への情熱が消えたわけではない。『小沢一郎 嫌われる伝説』著者で政治ジャーナリストの渡辺乾介氏が、自民党と解散について小沢氏に聞いた。
小沢:日常の選挙活動でも、それはもう民主党なんかよりはるかにやっています。それはやっぱり大事だと思う。自分の目的に対する執念、そのためにはどんなことを我慢してもやるという執念ですね。そして、それが民主主義の原点だと私は思います。
だから、野党になった自民党は政権を取るために、多少の違いはいいからとにかく皆でまとまろうとする。そこが大人というか、したたかさというか。
民主党が一生懸命やっていたら、政権党に3年半いながら、こんなに負けるわけがない。僕は(民主党時代に)「大衆の中に、国民の中に入れ」と言ってきた。しかし、そう言えば言うほど煙たがられました。
だけれども、国民と直接触れ合うことなく、国民が何を求めているのか、何を期待しているのかがわかるはずがない。残念ながら、そうした政治活動が民主党にはほとんどなかった。結局、永田町で会合ばっかりやって、地元で自分を支援してくれた人たちの意見の吸い上げが全然できていない。それがこんなに負けてしまった最大の原因ですね。
──民主党は、総理大臣自身が負けるとわかっていて解散し、江戸城の無血開城の
ごとく政権を自民党に譲り渡した。
小沢:当時の選挙の担当者、責任者たちが、選挙中や選挙後に、「筋肉質になってすっきりした」「これだけ負けてよかった」なんて言っていたんでしょう。二百何十人も殺したのに、「これでよかった」と言うのは信じられない。どういう精神構造をしているのか。
それは多分、巷で言われているように、彼らなりの思惑があったんじゃないですか。要するに、自民党も過半数に届かないだろう。自分らもほどほど生き残れば連立を組めるという打算ですね。それを狙って解散したとしか考えようがない。
自分たちが「自民党ではダメだ」と訴えて政権を取りながら、自民党と結ぶことを前提にして政治行動をするというのは、本当にむちゃくちゃで、邪な考え方です。でも、そうとしか解釈できない。何で解散したのかは、今でもわかりません。
──その民主党は、検証作業と称する党再建論争の最中です。
小沢:へぇ、そんなことをやっているの?
※週刊ポスト2013年3月1日号
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