Thursday, October 31, 2013

天皇陛下に手紙を渡した山本太郎議員の勇気

かなり長い間、ブログを休んでしまったが、それにもかかわらず、いつも訪問してくださった読者の皆様、ありがとうございます。このところ、新しく飼ったリンゴちゃんの世話に追われたり、通訳の仕事が入ったり、午前中通っているパソコン&ビジネス・スクールが忙しかったりで、とてもブログを書く余裕がなかった。

さらに、とりたててブログで書きたいようなビッグ・ニュースもなかったので、ついつい長い間休んでしまった。

今日は少し面白いニュースを見つけたので、ブログを書こうと思った次第だ。


山本太郎氏が赤坂御苑で開かれた秋の園遊会で子供達の被曝の現状や原発作業員の劣悪な労働環境について天皇陛下に手紙を渡したことが、原子力村や原発推進派の自民党議員、原発推進派のメディアを刺激し、騒動になっている。

日頃から、反原発を地で行く山本太郎氏は、原発推進派の自民党やメディアにとっては、目の上のたんこぶであり、この出来事を機に何とか山本氏を辞職させたいという動きがでている。

参考記事:山本太郎議員に辞職求める声 園遊会で陛下に手紙渡す
(朝日 2013年11月1日12時30分)
10月31日の秋の園遊会で天皇陛下に手紙を渡した山本太郎参院議員(無所属)に対し、1日、議員辞職を求める声が相次いだ。自民党の脇雅史参院幹事長は党役員連絡会で「憲法違反は明確だ。二度とこういう事が起こらないように本人が責任をとるべきだ」と要求した。
もちろん、原子力村からお金をもらっているのは、自民党議員だけのはずはなく、公明党や民主党、大阪市長のハシシタなど、右翼系議員もここぞとばかりに一斉に山本氏を非難し始めている。
村博文文部科学相も「議員辞職ものだ。これを認めれば、いろんな行事で天皇陛下に手紙を渡すことを認めることになる。政治利用そのもので、(足尾銅山鉱毒事件で明治天皇に直訴を試みた)田中正造に匹敵する」と批判した。
公明党の井上義久幹事長は「極めて配慮にかけた行為ではないかと思う」と述べた。同党の太田昭宏国土交通相も「国会議員が踏まえるべき良識、常識がある。不適切な行動だ」と批判。古屋圭司国家公安委員長は「国会議員として常軌を逸した行動だ。国民の多くが怒りを込めて思っているのではないか」と資質を問題視した。田村憲久厚生労働相は「適切かどうかは常識に照らせばわかる」、稲田朋美行政改革相は「陛下に対しては、常識的な態度で臨むべきだ」と不快感を示した。
民主党の松原仁国会対策委員長も「政治利用を意図したもので、許されない」と批判。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長大阪市役所で記者団に「日本国民であれば、法律に書いていなくても、やってはいけないことは分かる。陛下に対してそういう態度振る舞いはあってはならない。しかも政治家なんだから。信じられない」と批判した。
憲法には、天皇を政治利用してはならないとの項目はあるが、天皇に手紙を渡すことが政治利用になるとは書いていない。自民党議員らは、なんとか憲法違反にこじつけて、山本太郎氏を辞職させようとしているようだ。山本氏の支援者は、山本氏を辞職させようとしている議員らに抗議の電話をかけ、山本氏を決して辞職させてはならない。

天皇陛下は先日、熊本県水俣市を初めて訪れ、水俣病患者の多くが差別を恐れて病気を隠してきた実態を聞いて、「真実に生きることができる社会をみんなで作っていきたいと改めて思いました」と、約1分間にわたって自分の思いを語ったそうだ。発言は予定外で、事前に「お言葉」が用意された行事以外で、天皇陛下がこのように時間をかけて思いを口にするのは異例なことらしい。おそらく、天皇陛下も原発事故の問題も含め、水俣病で苦しむ患者たちの今の現状を心から心配していらっしゃるのだと思う。

そんな人の心を持ち合わせた天皇陛下に山本氏が手紙を渡す動画を見ると、一言二言、言葉を交わした後、その手紙は、天皇陛下の侍従長に即、奪われてしまった。その後、周囲の人々の冷たい視線が山本議員につきささる。

天皇陛下が山本氏の手紙を読んでくださり、事態が良い方向に向かうよう祈りたい。もちろん、さすがの天皇陛下でも、今の嘘で固められた官僚や原子力村をガラス張りにすることができるとは思えないが、このニュースをきっかけに、この問題が公になり、被曝している子供達を避難させ、命をかけて福島原発で働く作業員たちの現状が少しでも改善されればと思う。

前代未聞の向こう見ずな、とても勇気のある行動を取った山本太郎氏は、原子力村からの圧力にめげず、なにがあっても議員辞職だけはしないでいただきたい。