Wednesday, November 28, 2012

WSJ投票で『日本未来の党』に期待するが64%、期待しないが36%

ウォール・ストリート・ジャーナルが、「【投票】“卒原発”の「日本未来の党」に期待する?」というアンケートを行っている。

今のところ投票数合計は5452票で、期待するが、3475票、期待しないが1978票で、期待するが64%、期待しないが36%となっている。保守系のメディアであるWSJで、まだマニフェストも発表されていない結成されたばかりの『日本未来の党』に期待する人が期待しない人の約2倍もいるというのは、驚くべきことだと思う。

今、日本で最も大きな問題となっている日本政府の原発事故後の処理に危機感を持った人たちの、「原発を無くしたい」という願いが、この新党への期待となって集結されている証拠だ。

『日本未来の党』への合流は、誰にとっても驚きであったようで、このアンケート記事に対するコメント欄での反応がすごいことになっている。現時点で、コメント総数は177件。

政治状況が混沌としていた中で、投票する政党がなかったが、やっと脱(卒?)原発を唱える『日本未来の党』に投票することに決めることができて、嬉しいというコメントがいくつかあり、やはり、『日本未来の党』はかなりの得票数を集めそうだ。

しかし、中には、もちろん小沢氏をバッシングする皮肉たっぷりのコメントもあった。

嘉田さんが脱原発を掲げる新党立上げを検討というニュースを聞いて、これでやっと投票したい政党が出てきたと、涙が出そうなぐらい嬉しかったのですが、そこになんとあの小沢氏+そのシンパが合流すると聞いて心底がっかり。おまけにあの亀井氏やら河村氏やらも合流するですと。。。
せっかく純粋な社会運動の専門家が作った政党が、落ち目の政治家の救済手段になるなら残念。どうせ小沢派ほかの面々は、原発問題より票目当てで「脱原発」と言ってるだけなんだから。
しかし小沢氏は、どうやら放射性物質が苦手らしいと聞くので、実は本気で原発に反対しているのかも?
こういう人は、もちろん自民党や維新の会の支持者なんだろうね。なにが、落ち目の政治家か。落ち目と言ったら、野田、安倍、石原、橋下だろうに・・・・。しかし、大手メディアがあれだけ小沢氏の人格攻撃をしたせいで、無罪になった今でも小沢氏はきっと悪い政治家だと思いこんでいる人がどれだけ多くいることか。ほとんど自分では何も調べずに、ただ大手メディアが言うことだけを信じている人にとっては、小沢氏は悪の象徴なのであろう。大手メディアの洗脳は恐ろしいものだ。

このように、小沢氏をいまだにグレーとかクロだとか思っている方は、森ゆうこ氏がわかりやすく執筆した小沢X森特別対談だけでも読んでいただけると、おおざっぱな事情がわかると思う。


非常に残念なのは、『日本未来の党』の議員でさえ、小沢色をなくそうとしていることだ。小沢氏に言われてやっているならわかるが、そうでなければ、とんでもないことだ。同じ政党の議員であるのに、小沢氏がどれだけ多くの支持者から信頼されているか全く知らないとしたら、悲しい。

以下に、大手メディアの『日本未来の党』結党についての社説を集めてみたが、ピンからキリまでさまざまだ。

読売は、創設者が日本にもたらした原発が廃炉の危機感にさらされてか、くやしまぎれのかなり否定的な社説になっている。読売にとって、原発廃止を唱える強力な新党の結成は、さぞ、悔しいことだろう(笑)。

日本未来の党 「卒原発」には国政を託せない(11月29日付・読売社説)

 
国力を衰退させる「脱原発」を政治目標に掲げる政党に、日本の未来を託せるだろうか。
日本未来の党が、正式に発足した。代表に就任した嘉田由紀子滋賀県知事は「卒原発プログラム」を作成し、徐々に原発を減らして10年後をめどに原発ゼロにする意向を示した。
「脱増税」「脱官僚」「品格ある外交」など抽象的な言葉ばかりを掲げている。経済や社会保障、安全保障といった重要なテーマでさえまだ政策がない政党だ。
嘉田氏が「この指止まれ」と呼びかけたように見えるが、実態は国民の生活が第一の小沢一郎代表や、民主党を離党して新党を結成した山田正彦元農相らが根回しをして、合流を決めたものだ。
空疎なスローガンと、生き残りのために右往左往する前衆院議員たちの姿には、政治家の劣化を痛感せざるを得ない。
嘉田氏が掲げる「卒原発」は脱原発と大差はない。それだけでは願望に過ぎず、無責任である。
電力の安定供給や代替エネルギー確保、経済・雇用対策、原子力の人材育成などについて現実的な計画を明確に示すべきだ。
結党に際して発表した「びわこ宣言」には「原発事故の潜在的リスクが最も高いのは老朽化した多数の原発が集中立地する若狭湾に近い滋賀県」とある。電力供給の恩恵を受けておきながら、原発立地自治体への配慮が不十分だ。
滋賀県の利害のために国政に進出するとの発想も改める必要がある。嘉田氏は知事と党首との兼務が可能かどうか悩んだという。政党運営の経験がないだけに、両立には困難が伴うに違いない。
小沢氏が名称にもこだわった政党をあっさり捨てても、驚くには当たるまい。党首として前面に出たくなかったのだろう。その分、未来の党の公約原案には小沢氏の従来の主張が反映されている。
日本維新の会と連携できず、民主党離党組の党だけでは選挙戦で埋没する。クリーンイメージの嘉田氏を「表の顔」に担ぎ出して巻き返そうと考えたようだ。相変わらずの小沢流である。
「決められない政治」で既存政党に対する国民の不信感が高まる中、急ごしらえの新党の離合集散が目立っている。だが、新党は、国政を担う能力に疑問符が付き、政策も大衆迎合色が濃厚だ。
有権者はそのことを十分理解した上で、新党の真価を見極めることが重要である。
(2012年11月29日01時32分 読売新聞)

毎日の社説は、読売よりは全然ましだが、いまだに小沢氏を悪者にしたてあげようとしている節がある。誰を首相候補にするか示す必要などないと思うが・・・・。

号砲直前の急転である。今衆院選で民主、自民両党に対抗する第三極の結集をめぐり滋賀県の嘉田由紀子知事を代表とする「日本未来の党」が発足し、国民の生活が第一(小沢一郎代表)などが合流を決めた。
日本未来の党は段階的に全原発の廃炉実現を目指す「卒原発」を政策の柱に据えたため、政党乱立で混乱気味だった対決構図がより明確になった。新党の挑戦を各党は正面から受け止め、原発や将来のエネルギー政策を徹底的に論じてほしい。
第三極の動向が主として日本維新の会を軸に注目される中、意表をつくような早業の結集劇だった。小沢代表をはじめ50人近い前衆院議員を擁する政党が解党を即決、つい先日まで「石原新党」と合流を相談していた旧減税日本の勢力も嘉田氏のもとに参集する。日々刻々と続く離合集散に「政党とは何か」との思いを抱いてしまう。
それでも、新党が原発問題を最大の争点に掲げ衆院選に参入する意味を軽視すべきでない。
嘉田氏は新党結成の動機について「今のままでは選ぶ政党がない」と述べ、脱原発路線などに賛同する民意の受け皿となる意欲を語る。民主、自民両党のエネルギー政策はあいまいさを抱え、維新の会も勢力結集の過程で「原発ゼロ」目標の提示を見送った。福島原発事故の教訓を踏まえ、エネルギー政策転換の針路こそ今衆院選で本来、最も政党が問われる課題のはずだ。
それだけに、新党が公約に掲げる「卒原発」の具体性、実現性が厳しく吟味される。嘉田氏は2022年をめどに「原発ゼロ」の実現を目指す考えを示した。民主党の「2030年代ゼロ」より相当踏み込んだ目標だ。票目当ての結集との疑念をぬぐい去るためには原発再稼働への対処基準や核燃料サイクル問題解決の道筋、再生可能エネルギーや電力コストの見通しなど説得力ある工程を示せるかどうかが問われよう。
外交、内政で政策の全体像を示すべきなのも当然だ。「脱増税」を掲げ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対する勢力も合流するが、いわゆる「反対政党」では責任政党とは言えまい。
新党結成には小沢氏が深く関わったとされる。嘉田氏は知事職にとどまる予定だけに、不透明な二重権力構造としない党の体制が問われる。目指す政権の枠組み、誰を首相候補とするかも示す必要がある。

次は朝日の社説。朝日も小沢裁判のときは訳もなく小沢氏を悪者としてバッシングしてきたメディアだ。やはり、この社説の中でもいまだに小沢氏に対して否定的なイメージを植えつけようとしている。


未来の党―脱原発の工程を示せ

「卒原発」をかかげる滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事が、新党「日本未来の党」を結成した。
国民の生活が第一や減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の議員ら70人以上が合流し、日本維新の会とはまた別の勢力として名乗りをあげた。
3・11以後、初の国政選挙なのに脱原発が選択肢として見えない。琵琶湖の自然保護に取り組む知事としてじっとしていられなかった――。結党に踏み切った嘉田氏の思いはわかる。
嘉田氏は、隣りあう福井県にある関西電力大飯原発の再稼働の反対を呼びかけてきた。脱原発世論をすくい上げ、国会に反映する意味がある。
各政党の原発政策にはあいまいな言いまわしが多く、違いが見えにくい。原発ゼロへの具体的な政策を打ち出すことで、議論が深まることを期待したい。
嘉田氏はまた、地域や女性、子どもを党の理念の柱にしたいという。身のまわりのことを大切にする姿勢に、共感する人も少なくないだろう。
ただ、気になる点もある。
一つは小沢一郎氏の存在だ。自らの党の埋没に危機感を抱いていた小沢氏は選挙の顔として嘉田氏をかつぎ、生き残りのために結党をおぜんだてした。そうした見方があるのは事実だ。
新党を作っては壊し、力を保ってきた小沢氏の政治スタイルが復活するようなら、脱原発も選挙むけの口実に終わる。
知事にとどまる嘉田氏が党をどう取り仕切るか。東京で活動する党を、大津から指揮するやり方を示してほしい。
もう一つは、新党内で他の政策の考え方に違いはあっても、脱原発では同じ方向を貫くことを確約できるかどうかだ。
嘉田氏は「小異を生かしながら大同を作る仕組みをつくりたい」と語る。ならば、各党から集まった議員が選挙後も原発ゼロをめざす政策で一致し、有権者を裏切らない姿勢を示すことが必要だ。段階的に原発をなくす卒原発の言葉だけでは、他党と大差ない。ゼロへの工程表の提案が不可欠だ。
原発が立地する地域の雇用問題の解決や、使用済み核燃料の再処理の即時廃止、高速増殖原型炉もんじゅの廃炉を経て、2022年をめどにすべての原発を段階的に廃炉にしてゆくという。それを、実現可能な公約にする必要がある。
結党の背景には、ともに脱原発を訴えてきた橋下徹大阪市長が、石原慎太郎氏との合流で後退したことがある。嘉田氏は現場をもつ首長として、脱原発の論戦を引っ張ってほしい。
今後、『みんなの党』が合流するかどうかが注目される。個人的には、自民党が崩壊する前後に、自民党内の情報を集めてYouTubeで発信してくださっていた渡辺喜美のおかげで、内部事情がわかったので、感謝している。

小沢支持者は、『みんなの党』の合流に反対する人も多いだろう。だが、もし、政策(渡辺氏に言わせればアジェンダ)が一致すれば、合流していいのではないか。

選挙まで考えている時間もないので、今、合流して、やっぱり意見が合わないということだったら、又後で離党するという手もあるのだし・・・・。とにかく、『みんなの党』が本気で原発をなくそうと考えているのなら、『日本未来の党』に合流すべきだと思う。

少なくとも、『日本未来の党』は、候補者をじゃんけんで決めるようなことはしないと思うから(笑)。

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