画像:CNNより
11日には、米民主党のジョ・バイデン副大統領と共和党のポール・ライアン副大統領候補によるテレビ討論会が行われた。副大統領の討論会というと、4年前のサラ・ペイリンvsジョー・バイデンの討論会を思い出すが、今回の副大統領候補討論会の直前には、ライアンが娘に狩猟用の服を買ってあげるビデオや、キャップを後ろ前にかぶり、ジムで身体を鍛えるあまり知的に見えない写真がメディアに公開され、サラ・ペイリンとイメージがダブった有権者もけっこういたと思う。
討論会直後のCNNと世論調査機関ORCの調査によれば、討論会を視聴した登録有権者の48%がライアン氏が勝利したと答え、バイデン氏が勝利したと答えたのは44%だった。普通は、民主党支持者の回答が多いのだが、このときは、共和党支持者の回答が多かったという。
最初の調査でどちらに軍配が上がったか決めかねていた人の世論調査を後ほど行ったところ、今度は50%がバイデンが勝利したと答え、31%がライアンが勝利、19%が引き分けだったと答えた。このときは民主党支持者の回答が多かったそうだが、それを考慮しても20%の差は大きい。
又、ロイターの調査でも、バイデン42%、ライアン35%と7%の差でバイデンが勝利した。
オバマvsロムニーの大統領討論会と比較すると、ロムニーの言うことをときにはうなずきながら最後まで聞いていたオバマに比べると、バイデンはまじめに話すライアンの話が終わってないうちから、歯を見せて笑いながら、否定したり、積極的に反撃した。
共和党支持者に言わせると、バイデンは無礼だということになるが、意気消沈して見えたオバマに比べて、いつも茶目っ気のある笑顔でなりふりかまわずエネルギッシュに相手に反撃していたバイデンに、明るい民主党の未来を感じ、支持する人も多かった。「バイデンの歯がライアンの髪に勝った」などとちゃかすメディアもあった。
副大統領候補TV討論会の完全版YouTube:
討論は、例年のように、立ったまま答えるのではなく、テーブルをはさんで司会進行を務めるABCテレビのマーサ・ラダッツ記者の質問に両者が面と向かって座ったまま答えるというどちらかといえば、アット・ホーム形式で行われた。
初めの質問は、今年の9.11記念日に、在リビア米領事館が襲撃され、米大使ほか数名が殺害された事件について、諜報活動(インテリジェンス)失敗が原因だったと思うかという問いで幕を開けた。
米国人をテロから守れなかったオバマ政権の失策としてこの事件 をやり玉に挙げたライアン氏に対し、バイデン氏は、ライアン氏が支持していた予算案に従えば、外交施設の警備費なども削減されていたはずだと述べ、「彼が 言ったことで正確なことは1つもない」と反撃した。
経済問題に論議が移るとバイデン氏は、「米国人の47%は政府に依存している」としたロムニー氏の失言を引き合いに出して攻勢をかけた。一方、ライアン氏はバイデン氏の地元で失業率が悪化していることを材料に、雇用や景気の問題をめぐって政権批判を展開した。
このほか医療保険改革、宗教と人工妊娠中絶の問題などをめぐっても激論が交わされた。
経済問題に論議が移るとバイデン氏は、「米国人の47%は政府に依存している」としたロムニー氏の失言を引き合いに出して攻勢をかけた。一方、ライアン氏はバイデン氏の地元で失業率が悪化していることを材料に、雇用や景気の問題をめぐって政権批判を展開した。
このほか医療保険改革、宗教と人工妊娠中絶の問題などをめぐっても激論が交わされた。
それにしても、37歳もの年の差があったにもかかわらず、討論の内容はとても充実したもので、1時間半の間、聴く者をあきさせないほどお互いの意見をぶつけあい2人とも健闘したと思う。結果的には、サラ・ペイリンに比べたら、ポール・ライアンは、知識も話術もずっとましだった。
この討論が成功したのには、各討論者の答えを慎重に聞いて、即、的を得た質問をしたマーサ・ラダッツ記者の司会進行役がすばらしかったということもあるだろう。
次の討論会は来週の火曜日、10月16日にニューヨーク州ヘムステッドのホフストラ大学で開かれ、オバマ大統領とロムニー氏が再び対決する。オバマには、活力ある態度で討論に臨んだバイデンを見習って、国民が民主党にあと4年間、政権をまかせたいと思うように討論して欲しい。
参考記事:
Whether Biden's teeth beat Ryan's hair, the VP debate is a wash for the contest
2 comments:
Biden is 69
That's right. He is too young to be 79:)
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