Monday, February 18, 2013

ロシアに落下した隕石が原発に落ちていたらと考えるとぞっとする

日本時間の2月15日朝、ロシアの過疎地に落下した隕石について、大きなニュースとして世界中で報道されてた。

地球上に小さな隕石が到達することは年間を通して100件くらいあるそうだが、ほとんどが海や山などの人口のないところに落ちるため、発見されるのは、10件から20件だという。

通常は、地球に到達するまでに燃え尽きてほとんどダメージを与えないほどの大きさになるため、今回のように、10トントラックの大きさの隕石が落下して、地上にダメージを与えることはとても珍しいと言われている。

隕石のマグネット地帯といわれているロシア地域で、この隕石は、100年間で2番目に大きなサイズの隕石だったそうだ。これまでで最も大きかった隕石は1908年にロシアのツングースカ(TUNGUSKA)に落ちた重さ10万トン、直径60メートルもある隕石だったといわれている。TNT火薬にして50メガトンもあり、原爆と同様の破壊力を持つ。その威力は、2000平方キロメートルに及び、8000万本の木をなぎ倒した。

人の住まない森林地帯だったからよかったが、これがもし4時間後に起こっていたら、地球の回転により、人口過密地帯に落下していたところだった。

不思議なことに、この時も今回のように隕石の破片一つ見つからなかったことから、UFOが墜落したとか、超古代迎撃システムが発動したという説など、多くの議論がなされた。
超古代迎撃システムとは、超古代に地球に住んでいたエイリアンが敵や隕石から地球を守るために地中に構築した迎撃システムのことで、ロシアのヤクーシャ地方には、いまでも死の谷と呼ばれ、人が足を踏み入れることを禁じられた地域があることを説明した下の動画をどうぞ。

まあ、これは信じがたいにしても、なぜ隕石はロシアによく落ちるのだろうか。そして、今回は約直径1cmの隕石の破片が湖で見つかったと言われているが、今回落下した隕石の破片なのだろうか。普通なら、落下したものが残るが、隕石の場合はなぜ残らないのだろうか。衝突した後に燃え尽きてしまうとしても、灰などが残るのではないか。

今回は、まだ普通の建物や湖の上に落ちただけだったからよかったが、これが原発の上にでも落ちたら大惨事となっていたことだろう。

参考資料:

'Largest since Tunguska': Chelyabinsk meteorite may take second place for size in over a centuryPublished: 15 February, 2013, 17:04Edited: 16 February, 2013, 12:31

ロシアのウラル地方上空で隕石が爆発、1000人が負傷

ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年 2月 15日 17:21 JST
【モスクワ】ロシアのウラル地方の上空で15日朝、隕石が爆発したとみられ、爆風によって割れたガラスで切り傷を負うなど約1000人が負傷した。
ロシア非常事態省は、隕石の破片がロシア中部チェリャビンスク州の人口密度が少ない地域に落ちた、と発表した。
ロシアのテレビ局が放映したアマチュア撮影家の撮影したビデオは、現地時間の午前9時20分、上空を猛スピードで横切り、幅の広い飛行機雲のような白い雲と強烈な閃光を残す1つの物体を映し出した。隕石の爆発で衝撃波が発生した。チェリャビンスク州の州都チェリャビンスク市は被害を受けた最大の都市で、住民によると、建物のドアやガラスが吹き飛ばされたり、自動車の警報装置が作動したりしたという。

チェリャビンスク市はモスクワの東約1450キロメートルに位置する。

チェリャビンスクのロシア地理学会会長のセルゲイ・ザハロフ氏は「光が非常に強く、アパートの中庭が明るくなった。音と衝撃波がやってきたのは約6分後だった。皆、何が起きたのかわからなかった。大きな照明弾が爆発したかのようだった」と述べた。




隕石の爆発で大破した窓ガラス(ロシア・チェラビンスク州のスポーツ施設で)



ロシア非常事態省によると、隕石の破片の落下後、病院で手当てを受けた負傷者は約1000人に上ったという。飛んできたガラスの破片でけがをした人が大半で、43人が入院した。約3000の建物が爆風で被害を受けた。チェリャビンスクの金属工場では、爆風で壁に穴が空いた。

隕石の破片の落下に伴い、学校は児童を帰宅させる措置をとった。また、携帯電話会社1社のネットワークが一時的に不通になった。

一部の市民の間では混乱が生じた。市民が撮影した映像はある学校の児童が教室から次々と飛び出して、叫んでいる様子をとらえていた。

チェリャビンスク市の教師ヴラダ・パラジーナさんはロシアのニュースサイト「ライフニュース」に対して、「こんな光は人生で見たことがない。この世の終わりに起きるような光だった」と語った。

チェリャビンスク市役所で電話に応答した女性は「飛行機が墜落したかと思った」と話した。

当局者は住民を落ち着かせるために即座に対応を開始、隕石の破片は人体に影響を及ぼさないと説明した。科学者によると、隕石の大部分はほとんど燃え尽きて、破片が地上に落下したという。






プーチン大統領は非常事態相に対し、被害を受けた住民を支援するよう指示した。

チェリャビンスク州のユレヴィッチ 知事は自身のブログで「大規模な破壊は起きていない。現在の優先課題はガラスが割れた集合住宅やオフィスの温度を維持することだ」と述べた。

科学者によると、隕石の大きさと負傷者数の両面で、今回のようなケースは非常に珍しいという。

英国王立天文学会の天文学者キース・スミス博士は「過去に1、2人のけが人が出たという報告はあるが、今回のようなケースは前例がない」と述べた。

15日には重さ推定13トンの小惑星が地球の約2万8000キロ上空を無事通過した。スミス博士はこの小惑星の通過とロシアの隕石落下の間には関連性がないと述べた。米ボストンのタフツ大学の惑星科学者サミュエル・コウナバス氏も関連はなさそうだと述べた。

小惑星は太陽を周回するかなり小さな岩石の集まりとなっている。流星体はそれよりさらに小さな破片で、こちらも太陽の周りを回る。流星体が大気圏内を通過中に燃えるときに見える光の現象が流星で、一般的に流れ星と呼ばれている。隕石とは大気圏で燃え尽きず、地球に落下した流星体を指す。

当局者によると、ロシアで落下した隕石の破片は数十に上る。複数の調査チームがチェリャビンスク郊外で隕石の破片の探索を開始した。

地元警察によると、隕石の破片がチェバルクリ湖近くの地面に落下すると、氷や水、蒸気が柱のように吹き上げて、直径約8メートルのクレーターが出来た。


Associated Press       チェバルクリ湖にできた穴

ロシアの科学アカデミーの発表によると、隕石は推定で直径数メートル、重さは約10トンだった。科学アカデミーは「物体は秒速15~20キロの速度で大気圏に突入し、高度30~50キロで爆発した。破片がかなりの速度で落下したため、強烈な光と強い衝撃波が生じた」と述べた。

米航空宇宙局(NASA)によると、25メートル未満の流星体は大気圏内を落下する間に燃え尽きることが多く、被害が出ることはほとんどないという。

地球には毎日、100トン以上の塵や砂粒大の粒子が落下しているが、海や人があまり住んでいないところに落下することが多く、人は落下に気づかないことが多い。1年に一度程度の割合で自動車ほどの大きさの小惑星が大気圏に突入するが、通常は地上に落下する前に燃え尽きる。

NASAによると、サッカー場ほどの大きさの物体が地球に落下して、甚大な被害をもたらすのは2000年に一度程度だという。恐竜を絶滅させたとされるような巨大惑星が地球に落下する確率は数百万年に一度としている。

科学者は今後、隕石が観測された現場に押し寄せるものとみられる。英国王立天文学会のスミス博士によると、隕石の軌道を追跡して、地上でその破片を回収することができたのはおそらく2007年のスーダンのケースがこれまでで唯一だという。

ロシアのロゴジン副首相は世界の主要各国に対し、早期警戒システムの構築と隕石を打ち落とす技術の検討を呼び掛けた。ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は隕石ほどの速度で落下する物体を追跡するのは不可能だと述べた。

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