Thursday, February 14, 2013

1セント硬貨を廃止するカナダと存続する米国。日本の1円の行方は?




カナダの1セント硬貨が2月4日付で廃止された。年々硬貨の製造コストが上がり、今では1.5セントと、1セント硬貨の価値の約1.5倍もかかってしまっているからだ。それでも、カナダ国民に、1セント硬貨がありがたく使われているならいいが、実際は、1セント硬貨はお財布の中でかさばるので、誰からも嫌われており、おつりでもらっても、レジの横にある募金箱に入れたり、おつりをもらわなかったりする人が多い。

日本の自動販売機で1円が使えないように、カナダの自動販売機でも使用できないし、購入代金の支払いには1回25枚までしか使えないという法律もある。

4日に廃止されてから、私も家中にある1セントを集めて、近くのスーパーにある「硬貨仕分け機」でお札に変えてもらったところ、全部で約40ドルもあったのには驚いた。

廃止されたといっても、流通はしており、お店のレジで1セントを支払うことも可能だ。1908年に導入された同硬貨は、100年以上も使用されてきたが、今後も永久にその価値を保持し、支払いにも使用できるそうだ。

将来的には、商品の値段が、5セント単位になるのかわからないが、今のところ、価格的には何の変化も見られない。現金払いでは、末尾が5セント単位となったようだが、カード払いでは、1セント単位で金額を支払う。

先日、このことをすっかり忘れてミルクが一番安いドラッグ・マートで4リットルのスキムミルクを現金で買ったら、以前は、$3.98だったのに、その日は$4徴収されてしまい、2セントだけだったが、損をした気分になった。後から、デヴィット・カードで支払えばよかったと後悔しても、後の祭り。

又、別の日に、バインダーを買ったら、$11.77だったのだが、今度は$11.75しか請求されなかった。つまり、末尾が1セント、2セントの場合は、0セントになり、6セント、7セントの場合は5セントになって実際の値段よりも1,2セント安くなるのだ。逆に末尾が3セント,4セントの場合は5セントになり、8セント,9セントの場合は10セントとなって実際の値段よりも1,2セント高くなる。

たった1,2セントの違いだが、合計すると年間でかなりの金額になるのではないかと思う。いつも実際の値段よりも安くなればいいが、そうはいかないだろう。でも、末尾の数字によって、現金とカードを使い分けなければ少しは節約できるかもしれない。

一方の米国は、カナダよりも保守的なのだろうか。1セント硬貨は、存続する可能性が高いそうだ。


1セント硬貨は不要? カナダが廃止、米国は存続派が優勢か2013.02.05 Tue posted at 19:30 JST
ニューヨーク(CNNMoney) カナダの1セント硬貨が4日付で廃止された。米国の1セント硬貨についてもかねて不要論が出ているが、存続を望む意見も根強いようだ。
米造幣局が昨年鋳造した1セント硬貨は58億枚。1枚につき2セントのコストがかかった。おつりで受け取ってもレジに置いていく客が多いことから、消費者はもはや1セント硬貨に価値を感じていないと指摘する声もある。
企業側にも、5セント単位に切り上げ、切り捨てをすれば店員と客の双方にとって時間の節約になるとの考え方が広がっている。しかし昨夏、メキシコ料理チェーンのチポトレが一部店舗でこれを実行に移したところ、客からの強い反発に遭った。
米国内で昨年実施されたある世論調査では、国民の3分の2が1セント硬貨の存続を望んでいるとの結果が出た。米ペンシルベニア州立大学の経済学者、レイモンド・ロンブラ教授の試算によれば、切り上げ、切り捨ての調整をすると、結果的に消費者が2年間で総額20億~40億ドルも損をするという。
一方、米ウェイクフォレスト大学の経済学者、ロバート・ウェイプルズ教授は、数千店のコンビニエンスストアを調査した結果として、消費者が全体として損をすることはないと主張。毎年多くの1セント硬貨が粗末にされ、流通経路からこぼれ落ちることによる損失の方が大きいと指摘する。
カナダのほかにも、これまでに最小単位の硬貨を廃止した国はいくつかあり、特に問題は起きていない。
だがウェイプルズ教授も、米国で近く1セント硬貨が廃止される可能性は低いとの見方を示す。「廃止の利点をどれだけ説明しようと、米国民の大多数は存続させたがっている。その理由は愛着心だ」と、同教授は分析している。

日本の1円硬貨を製造するのにも、今では、1.5円かかるそうだ。果たして、変化を嫌う日本は、1円硬貨を廃止することができるだろうか。私は、できないと思う。 

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