Thursday, September 6, 2012

クリントン元大統領のオバマ再選支援演説(動画全編)

日本では、モニカ・ルインスキーとの不倫事件で、名声を失った感のあるビル・クリントン元大統領だが、昨日の米民主党全国大会では、オバマ大統領の再選支援を前面に出した約1時間に渡るすばらしい演説を行い拍手喝采を浴びた。

1993年に12年ぶりに共和党から民主党に政権交代した後、2期8年の間、米国大統領を務め、2001年に退いた。退任後も、クリントン氏は極めて多忙な生活を送ってきた。不倫事件後も、この20年間、クリントン氏は常にメディアから注目されている。

大統領退任後は世界中で講演会活動を行うほか、自身の財団を通してエイズ(AIDS)予防の啓発活動なども手がける。2003年には複数の大手製薬会社と交渉し、途上国向けのエイズ治療薬の価格を引き下げさせることに成功した。その他、アジアの大津波の復興活動、そして2009年には、国連からハイチ担当特別大使に任命され、ハイチの震災復興支援に尽力している。

2009年8月には、平壌を訪問し北朝鮮当局に拘束されていた米女性記者2人の解放に貢献し外交力をみせつけた。米大統領経験者の訪朝は1994年6月に故金日成主席と会談したカーター元大統領以来、2人目となった。

ホワイトハウス時代は、特にハンバーガーなどのジャンクフード好きとして知られていたクリントン氏だが、2年前に心臓疾患で手術を受けてからは、菜食主義に転換し、食事にはかなり気をつけているようだ。

クリントン氏が大統領に就任していた時期に、米国経済は絶好調だったこともあり、米国では、「平和と好景気の時代の大統領」として、いまだにクリントン元大統領の人気は高い。





クリントン元大統領、オバマ再選支援で前面へ―米民主党大会2012年 9月 6日 9:11 JST

【シャーロット(米ノースカロライナ州)】米民主党の全国大会2日目となる5日、再選を目指すオバマ大統領が、前回の選挙以来やや距離を置いてきたクリントン元大統領に強力な支援を仰ぐ。
2期にわたる在任中に米国経済の成長と繁栄を復活させたとの評価が高い元大統領は、経済問題が再選の鍵となるオバマ大統領を全面支援する演説を行う。
これに加え、オバマ氏は元大統領に選挙戦テレビ広告に応援の主役として登板してもらうことや選挙資金集めの集会への共同参加、11月の投票日まで各地で元大統領に応援演説集会を開催してもらうなど強力な支援を受ける。
クリントン元大統領の首席補佐官を務め、オバマ氏が大統領就任する際にはブッシュ元大統領からの政権移行チームを率いたジョン・ポデスタ氏は「元大統領の経済問題の手腕には(国民の)絶大な信頼がある。さらに(オバマ大統領の再選に)重要な浮動票層である白人労働者階級を説得するのが非常にうまい。元大統領がこの層を説き伏せるのは確実で、党もそれを分かっている」とクリントン元大統領が党大会で演説をすることになった背景を解説した。
2人の間には、2008年の前回大統領選挙でオバマ氏が元大統領の夫人のヒラリー・クリントン氏と民主党候補指名を激しく争って以来、緊張感が漂っていた。しかし周辺によると、こうした緊張感が最近はほぐれ、両氏が打ち解けて相互に温情を抱くとまではいえないものの、確固とした関係を築いたとしている。
一方、共和党候補に正式指名されたロムニー氏とブッシュ前大統領との関係は対照的だ。フロリダ州で先週開催された共和党大会では、ブッシュ前大統領の名前が挙げられることはほとんどなかった。
とはいえ、オバマ‐クリントン連合の成立が簡単であったわけではない。現、元大統領の政治スタイルは全く異なっている。また、元大統領は6月にブッシュ減税を延長すべきと、現政権の税政策と全く矛盾する主張をしてオバマチームの頭痛の種となったりもした。
しかしここに来て、オバマ氏が選挙運動を展開するにおいて元大統領が必要不可欠の存在となった。同氏はマイノリティ層の大半の票は獲得できるとみられているものの、再選には白人のブルーカラー層の票をロムニー氏側から寝返らせることが必須だ。直近のウォール・ストリート・ジャーナル/NBC共同世論調査でも、オバマ氏に対する同層の支持率はロムニー候補を7%下回っている。
これに対し、人好きのするアーカンソー州人のクリントン元大統領は同層だけでなく国民全体からも広く人気を集めている。この世論調査でも57%が元大統領に対し肯定的で否定的と答えた割合は23%にとどまっている。これほど肯定的な割合が上回る政治家は現在クリントン元大統領しかいない。
ペンシルバニア州のエド・レンデル元知事は「オバマ大統領は一定のグループとの関係を築くのはうまいのだが、クリントン元大統領を支持する民主党員たちは苦手だ。元大統領のうまいところはケンタッキー、ウェストバージニア、アーカンソー州などへ行けば田舎のごつい男になり、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなどの大都会へいけば、洗練された紳士を演じられることだ」と元大統領の支援の必要性を分析した。

米民主党大会でクリントン元大統領が演説、オバマ氏の経済運営擁護
ロイター 2012年 09月 6日 14:19 JST

[シャーロット(米ノースカロライナ州) 5日 ロイター] 米民主党の全国大会2日目の5日、クリントン元大統領が演説し、オバマ大統領の経済運営を擁護するとともに、共和党大統領候補に正式指名されたミット・ロムニー氏について、細部にわたり厳しい批判を展開した。
クリントン元大統領は、現在の景気低迷について、オバマ大統領はブッシュ政権から引き継いだだけであり、責めるべきではない、と主張。そのうえで、オバマ大統領は力強い経済成長に向けた基盤を作ったと述べ、再選してもっと時間が得られれば、経済再生は可能と訴えた。
元大統領は「どんな大統領であっても、たった4年という時間では、このようなダメージを完全に修復することはできなかっただろう」と述べた。
ロムニー氏については、メディケア(高齢者医療保険)やメディケイド(低所得層向け医療保険)などの福祉制度を貧しい子供や高齢者にとって不利な方向に改革しようとしていると非難。「ロムニー氏が当選して公約を果たせば、メディケアは2016年に崩壊する」と述べた。
クリントン元大統領の演説の合間には、会場を埋め尽くした支持者から割れんばかりの喝采が沸き起こり、根強い人気を見せつけた。演説が終わるとオバマ大統領も壇上に上がり、支持者の声援にこたえていた。

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