Thursday, July 5, 2012

小沢一郎氏が森ゆうこ著『検察の罠』出版記念会で講演

中村哲冶参議院議員がTwitterで、小沢氏が7月5日、森ゆうこ議員のベストセラー、『検察の罠』の出版記念会で講演をしたときの音声ファイルを紹介してくださった。音声が少し聞き取りにくいので、ここに書き起こしを転載させていただきたい。小沢氏に「男だったらな」と言われた森ゆうこ議員のこれからの新党での活躍を期待したい。



TwitLonger Kurikuri(@_Kurikuri_)より


(拍手)みなさん、こんばんは。いま、森君のお話では、本当に全国からこうして出版記念の会にご参加を頂いたそうでございまして、本当にありがとうございます。友人の一人として私からもみなさんに感謝を申し上げます。誠にありがとうございました・・・(拍手)
たくさんの女性議員がいまや流行作家のように本を――彼女の書いた本がベストセラーになって、大変みなさんに読まれているということでございまして、私もとても大変喜んでいると同時にですね、やっぱりこういう問題に国民のみなさんの目が、そして認識が、大きく変わってきたのかなと、そのような感じを持っております。
え、何分いいの?あ、十分ぐらい。ほうほうほう。
これはもういま森議員からお話あったと思いますけれども、本当に国の、社会の変革を目指そうとすれば、必ず旧体制からの反撃があるのは当然でありまして、私はその意味においても、最も危険人物として、旧体制からいま大きな、いまなお攻撃を受けているところであります。私どもの歴史でも幕末、幕藩体制の頂点に立つ徳川幕府の体制を維持せんとする[聞き取れず]の下で多くの維新の志士たちが命を落としていきました。やはりそういう犠牲を乗り越えて初めて新しい世が、文明開化の世が生まれたんだと思います。
ただ、今日の社会はいわゆるあの幕末の維新の時とは違いまして、少なくとも形の上では民主主義社会であります。その民主主義社会でありながら、旧い時代の権力の執行と同じようなやり方で旧体制を守るために権力を濫用するということが公然と行われているということ。これが私は――私個人が犠牲になったということは仕方のないことで、私としては力のある限り戦ってきましたし、これからも戦いますけれも――日本の本当の民主主義の社会をつくっていくというみんなの思いからしますと、これは本当にあってはならない、許されない、まさに前時代的な手法によって行われているということであります。
これが、今日では森君の本においても、あるいはいろいろな形でその不当なやり方が暴かれてきておりますけれども、しかし依然としてこの国の情報をほとんど独占しておるテレビ・新聞の大きなメディアからはその報道が公正になされていないという・・・まあ、今日もメディアが・・・(拍手)・・・あんまり言いますと、また明日いろんなことになるといけませんから言いませんけれども、これはこの、単にメディアの中にいる人がどうだとか、新聞・テレビがどうだとかいうことではなくてですね。本当にみんなが真剣に考えていかなければならないと。このまんまではね、絶対に日本では、私は民主主義は成熟しない、定着しないと・・・(拍手)
似たような件でしてね。イギリスで、やはりテロ事件やなんかありましたから治安当局が警察の力っていうのは、非常にそれを機会に強くなってたそうですね。アメリカでもイギリスでもそうでしょうが。イギリスで、ある議員が警察からスパイでしたか、なんかの容疑で逮捕されたと。それがまったく確たる証拠も何もなしに、一方的に警察が逮捕したということでですね。これは本当に民主主義の危機だと、与党も野党も全部揃って、けしからんということを言って警察も遂にそれに屈しまして、そして議員を釈放して[聞き取れず]はなにもなかったようなんですけれども、権力の濫用というのはそれほど怖ろしいものでありまして、これが公然とですね、国民の代表である政治家の意思とはほぼ関係なく、日本で言えばこの国を実質的に支配する強大な官僚機構という中で「あれは我々の利益を害する奴だ」「やれ」と、「叩き潰せ」というようなことが、官僚の手によって、官僚の思惑によって行われているということを本当に国民のみなさんにはしっかりと理解して頂かなければならないと、そう思います。 
その前に、政治家も―森君は先頭に立ってこの問題の本質を、これを許していたら民主主義は成り立たないということを本当に徹底的に戦ってくれている議員ですけれども――ほとんど多くの人たちが、僕の不徳の致すところではありますけれども、あいつがやられる分にはいいやみたいな態度で見ているということは、これはやがてね、本当に天に唾する話でして、私はまずもって国会議員がこの権力の暴走を自ら止めなくてはいけないんだという場に、私は本来あるはずだと思っております・・・(拍手) いずれにいたしましても日本の民主主義というのは、維新から戦争までの間、昭和のあの時代は極端な時代として別ですけれども、明治・大正と、西欧に後れをとった日本としては、政府が強力なリーダーシップを持って、追いつけ追い越せと、坂の上の雲を目指してということは致し方のないことでありますけれども。それがやはりあの時、戦前の昭和史では、いまこの軍人官僚ばかりが非難の的になっておりますけれども、やはりそうではありませんで、軍人官僚、そして行政官僚、そしてメディアが結びついて、ああいう一方的な世論を形成していったと、そして[聞き取れず]にということだと思います。 
戦後、形の上では民主主義というのは導入されました。これは、かなりアメリカの占領下ですからアメリカ的な要素が非常に、随所に、憲法からその他の法律まで表れていまして。そしてまたアメリカの影響はいまの日本の政治の動向を左右するというよりも、支配するがごとき状態になってきておりまして。これは非常に危ういことであって、僕はアメリカ人というのは非常に好きですし、アメリカが大事な国であって、友好関係を結んでいく、継続していくということはなによりも大事なんですけれども、それはいつも言うように同盟というのは対等の関係だと、主従の関係であっては同盟じゃないんだということを・・・(拍手)・・・言っておるわけでありますけれども、いずれにしても、本当にやはり日本は自立し、そして日本の民主主義を定着させるということが我々の使命だと思っております。 
最近いろいろ状況を見てますと、今日お集まりのみなさんを先頭にしてですね、非常に私は、主権者としての国民の意識が高まりつつある、認識が非常に変わりつつあると思っております。所詮、民主主義は国民、主権者たる国民の意識次第なわけでございますので、それが大きな変化を見せていると。例えば原発の問題でも、賛否は別にいたしまして、非常に特定の団体が、特定の勢力が動員するということではなくして、この総理官邸に十万人、十万という人が・・・(拍手)・・・やっぱり自分の命のことですから、自分の社会、自分の故郷のことですから、主権者である以上自分が解決していかなければならないことなので、そのためには政治が行動しなきゃ自分たちが行動するという、この本来の民主主義の意義と言いますか、その意識が大きく、私は出てきたのではないかなという風に思っております。ですから、そういう中では私は非常に、将来に悲観しているわけではありませんし、ある意味、その意味では楽観しているんですけれども、一番やっぱりこの意識が遅れておりますのが永田町と霞ヶ関であると・・・(拍手) 
その意味で、私は本当に、もう少しですね、国民のみなさんがもう一歩勇気をもって踏み出してもらって、やっぱりその政治を変えるにはね、それぞれの人が行動しないと変わらないんですよね・・・(拍手)・・・いまのこの民主党、3年前で言うと、みなさんが行動、投票所に行き投票したから変わったんですね。ただ、その結果の3年間見てみると、その期待とはちょっと外れたということは事実であろうと思いますし、私は、こんなはずじゃなかったと、3年前の政権交代は何のために我々頑張って、そして国民のみなさんが理解して投票してくれたのか、そのことを忘れてしまっちゃだめなんだ、これをもう一度思い起こせという意味で、今日の仲間と一緒の行動になったんですが、いずれにいたしましても・・・(拍手) 
さっき幕末の話いたしましたが、武力で革命を起こすというのは、ある意味でみんなの気持ちさえ高まればすぐできることでありますけれども、民主主義的プロセスと手法をもって革命的な改革をするということは非常に難しいことでありますし時間もかかります。手続きも非常に面倒くさい。それが民主主義のいいところでもあります。ですから、私自身も力及ぶ限り、気力及ぶ限り、この大きな目的に向かって頑張りますが、所詮は主権者たる国民みなさんのお力によってつくりかえる以外に方法はありません・・・(拍手)・・・ 
みなさまの今後とものお力添えとご奮闘を心からお願いしますと同時に、今日は森君のベストセラーの記念の会でございまして。彼女は本当に先頭に立ってですね、私の個人との友情関係はもちろんありますけれども、それが本質ではありませんね。いま申し上げたこと、日本の民主主義がこれではだめだ、本当の民主主義を確立しなきゃいけないという視点の中で『検察の罠』という本も出されているわけでございます。 どうかこの、彼女の、ある意味でね、本当に強大な官僚機構をね、特に検察と言いますと、これは直接国民の基本的人権を拘束し抑制することのできる権力機構ですから。本当にね、みんな些細なことでも何でもこれが犯罪だと言ったらどうにでもできるんですね。それほど国家権力の最も強い部分を執行している、持っている検察なわけですから、そういう意味で彼女が先頭に立って戦うというのはね、これは森君だからできるようなもので。時々ね、こういうことを言うとセクハラだと言われますが、男だったらなというような・・・(拍手)・・・気がしないでもないですけれども、女性でもってこれだけの闘士がいるということ自体が、私は日本の民主主義が以前よりどんどん進んでるという意味で・・・(拍手)・・・これからもみなさまのお力添えを、彼女に対しまして、そして我々みんなに対して頂けますようお願いして、今日の御礼のご挨拶といたします。ありがとうございました。(拍手)

2012年7月5日(木) 森ゆうこ著『検察の罠』出版記念会・第1部出版報告会 小沢一郎氏〔出典・音源について〕ファイル: http://xfs.jp/U5N75ツイート: https://twitter.com/NakamuraTetsuji/status/220817982383853568



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