Friday, August 14, 2015

佐野研二郎氏と東京パクリンピックとフランスパン

前途多難な東京オリンピックの先行きが思いやられる。

新国立競技場の費用が2倍になったことから、

競技場の建設計画が白紙になったが(実際は建設は続いているらしいが)、

今度は、東京オリンピックの公式エンブレムの盗作疑惑が持ち上がった。

エンブレムのデザイナーは、佐野研二郎氏。

本人は、自分はプロとして自覚して一からデザインしたので盗作ではないと主張。

一方のベルギーの劇場のロゴをデザインしたデザイナーは、

友人からこのことを聞いて、最初は偶然の一致かと思ったが、

コンピューターで画像を比較して、あまりにも似ているため、

よくよく考えて、東京五輪エンブレムの使用の差し止めを申し立てたそうだ。

どのくらい似ているかというと、色こそ違うが、まさに酷似している。


画像:左がベルギーの劇場のデザイン。右が佐野氏のデザイン

さらに、このデザインの配色が、スペインの震災復興デザインにも似ているとの指摘もある。



しかし、スペイン側は、この震災復興デザインにインスピレーションを受けて

五輪エンブレムがデザインされたとしたら、それは、すばらしいことだなどと

かなり寛大な態度を見せている。





これを見れば、東京五輪のエンブレムは、形はベルギーのパクリ、

配色はスペインのパクリで、オリジナリティーに全く欠けていることがわかる。

これを偶然の一致とするには、かなり難しいものがある。

しかし、ベルギーの劇場のロゴは、商標登録されていないということで、

これだけパクリが明らかでも、全く問題ないと日本側は思っている。

国際オリンピック委員会(IOC)もリオのときも同じような問題が起こったことを例にあげ、

こういったことはよくあることと、問題にしないつもりのようだ。

しかし、ベルギーのデザイナーがこのエンブレムの使用差し止めを提訴したことから、

このエンブレムは、新国立競技場のように白紙に戻すしかないだろうと思う。

さもなければ、このベルギーのデザイナーに多額の金を払って黙らせるつもりか。


佐野氏の会見をYouTubeで見たところ、デザインの盗用は事実無根とし、

パクリだなんて言われて心外だなどと平然と言っているけど、

他にも盗用疑惑があるとの記者団の指摘に内心かなりビビッたのでは?






個人的には、五輪招致のときに使われた日本を代表する桜のエンブレムか、

FBで見た富士山の版画的イメージの「幻となった1940年東京オリンピックのポスター /

画像検索の無い時代のデザインのまっすぐさ」が好み。





今は、本当にGoogle Imageで画像検索すれば、

瞬く間に何千何万というデザインが現れる。

例えば、「T」というアルファベットの検索をかけると、

それだけで下記のように多種多様な「T」

のデザインを見ることができる(下記はほんの一部)。







会見で、佐野氏は、使われたフォントの説明に関して、

Didot、Bodoniというフォントが多く使われているとし、

佐野氏本人は、2つのデザインは、ぜんぜん似てないと断言している。

これを、全然似てないと思う人って、世界中の人全員に聞いても、

佐野氏一人だけだと思うけど・・・・(汗)。

問題の本質はフォント以外にある。




このフォントが両デザインにおいて基本的に使われているのはわかるが、

それにしても、今回の東京オリンピックエンブレムとベルギーの劇場のロゴのように

上の水平の棒と中央の垂直な棒の長さのバランスと

上の水平の棒の左上端の三角形と右下の三角形の位置と角度が

偶然に一致するということは盗用以外には、ありえないと個人的には思う。






もし、自分がこの「T」を盗用するとしたら、右下の三角形を反転させて

右上に移動させ、鼓動を表す赤い丸を下にもってきて盗用疑惑を避けると思うが、

佐野氏はそれさえも怠ったということか。



インターネットの普及で検索機能を使えばほとんどの画像を探し出し、

一瞬のうちにコピペできるし、それをAdobe フォトショップやイラストレーターなどの

デザインソフトを使って編集すれば、たちまち自分のデザインができてしまう。

だから、一般的に、デザインの世界では、

盗用を証明するのがものすごく難しいとされている。



しかし、似たようなデザインでちょこっと違った作品はいくらでもでてくると思うけど、

今回の佐野氏の場合は、編集なしのオリジナルそのものなので、

簡単に盗用を証明できてしまう。



新たに類似が上がっている佐野氏がデザインしたサントリーのトート・バッグに

印刷されたフランスパンの画像なんて、おすすめのパンを紹介する個人のブログに

掲載されていた写真にクリソツ(死語?)。2つの画像を上から重ねたら

ぴったりと一致してしまうほど、サイズも形もそっくりそのままのパクリんこ。

ただフランスパンの上部を切り捨てて色をぼかしただけ。

サントリーは、このバッグを含む数点の疑惑全て売り場から撤去したとか。

普通、構成が似ているとか、色が似ているとかはありえるけど、

ここまで酷似しているデザインってありえないんじゃない?

やっぱり、この佐野氏、なんか怪しい人?

画像:左のフランスパンがブロガーの人が作成したもので右が佐野氏のデザイン(パクリ?)

ここまで偶然の一致はありえないだろう。

このデザインの佐野氏の説明をぜひ聞いてみたいなぁ。



最後に、その他の佐野氏による盗用疑惑が私的されていた作品がネットに出回っていたので紹介。














なぜこんなにオリジナリティのない人がデザイン畑で重用されていて、

東京オリンピックのエンブレムまでまかされていたのか。

まさに、不思議な国、ニッポンなのだ。

さて、さて、皆さまはこの盗用疑惑、どう思われますか。


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