小沢さんのお祖父さんやお父さんのことから始まって、
古き良き自民党時代、田中角栄のこと、自民党政権の変質、
小選挙区制、細川政権のこと、民主党が政権をとった時に、
沖縄に対して何もできなかった理由、野党連合、中国、米国との関係などなど、
とても興味深いことを、すべて包み隠さず語ってくださった。
1時間11分と長い動画なので、見る時間のない方のために、
以下、要点のみ書きだしてみた。
今日のテーマが『日本改造計画』という小沢さんが1993年に出版された本と
これが政治の師である田中角栄さんの『日本列島改造論』で
小沢さんが出す21年前にでているが、それまで官僚内閣が続いた自民党で、
いわゆる田中さんや小沢さんら党人派が政権運営をされた。
最近は、党人派が弱くなってきたような気がするのだが、という鈴木氏の質問に関して、
肯定も否定もせず、その頃の自民党に比べて今の自民党は、
体質が変わっちゃったと小沢氏。
自民党というのは、日本的哲学をバックボーンをもっていて、
『国民の生活が第一、政治は生活だ』と
富の配分の公平さにものすごく重点を置いていたので、
自民党の最盛期には、メディアから地方だけを大事にするとか
農民だけ大事にするとか言われた。
しかし、地域社会を守るため、予算配分を地方にまんべんなく回してきた。
しかし、小泉以来、新自由主義となり、競争第一で、自由競争で勝った奴が残ればいいと、
そういう考え方に立って政治が行われてきたので、
小泉政権の時に、日本経済がよくなり、大きな会社は利益を得たが、
国民の所得は、ずっと下がりっぱなし。
安倍内閣でも下がりっぱなしで格差が大きくなっている。
小泉さんがやったことは、自由民主党のバックボーンとなる哲学と違う政治をやった。
そういう意味で自民党をぶっ壊すというか、変質させちゃった。
いまなお、安倍の周りにもそういう考え方の人が小泉以来ついているし、
自由競争、市場原理第一という考え方で、そういう意味で逆に僕は自由競争は認めるが、
それだけにすると弱肉競争の世界になってしまうから、全ての人が一定の生活ができるように
一定のセイフティネットを作っておいて、その前提での自由競争だと言っているのだが、
かつての自民党の公平な配分と似てきている。
かつての自民党政治はその点はよかったのだが、官僚支配がずっと続いていたので、
その点の統治の機構改革、行政の大改革、規制の撤廃などをこの本でも主張したのだが、
既存の自民党や野党は、そういったしっかりした政治理念や哲学を持たないまま政治運営に
携わっているような気がしてならない。
『日本改造計画』は、普通の国を目指すということと、
個の自立がメッセージとしてあるが、内政の政治改革が必要で、それをやり遂げるには、
梃子として小選挙区導入、で外交では国連という梃子を使うんだと。
日本の国も自立を求められていたし、そのために日本人自身も自立をしなければならない。
今でもそうだが、まさにその転換期のときだった。田中先生のときは、
右上がりの高度成長の順調なときだったから、日本列島改造論というのは、
それがずっと続くと前提しての改造論だった。
それが、高度成長が止まって、国際政治では、東西対立がなくなって、
さあ、どうやって日本は独り立ちしていくかと問われて、その結論がいまだかつて出ていない。
この『日本改造計画』で提示している、中選挙区制ではなくて、
小選挙区制を導入するんだと書かれているが、
それは、政権交代が可能な政治条件を創るんだと提示している。
昭和44年の初選挙のときも小選挙区を公約に入れている。
日本は、個人でいえば、まだ自立していない。自我が確立してない状況だから、
民主主義が定着しない。議会制民主主義を定着させるためと、国民の意識を変えるために
小選挙区制は必要だった。小選挙区制が、政治の混乱の原因だなどと
馬鹿なことをいう人がいるが、とんでもない話だ。
小選挙区制だから、次の選挙では、今日の国民が批判している安倍内閣、自民党内閣を
変えることが可能なのだ。小選挙区制の欠点として、国民を分断することが挙げられているが、
日本人が自立すれば、自我が確立していれば、現実の政治を見て、
自分自身で考えるようになれば、国民を分断することもなくなる、
自民党の中でも安倍のやり方に反対する人はいっぱいいるのに、自分の意見が言えない。
自民党も野党も基本的な考え方で整理されるのが一番いいと思うが、
政権を変えることによって、自然に淘汰されていくというのが大切になる。
民主党が政権をとったときには、政治家が霞が関の中に入って行って、
官僚に何でも言うことをきかせるというような勢いだったが、現実には、
官僚の言う通りになってしまった。
官僚は既得権の中に座っているからいろいろな弊害やら悪い点を持っているが、
基本的に優秀な人材がいることは間違いないので、
しっかりと政治家が使えば、官僚はちゃんとついてくる。
新国立競技場の費用が倍になってしまった件に関しても、
追及されたら、文部相は何もせずに、局長が首になっちゃったのだが、
これでは役人はついてこない。責任は俺がとるから
おまえらは思う存分能力をはっきしろと言わなきゃ、政治家じゃない。
何か起きると役人のせいにしちゃう。だから、役人は本気になってやらない。
民主党が政権をとったとき、鳩山さんが総理になったとき、政府のことには
一切関与しないようにと言われ、沖縄の普天間基地のことは全く関与できなかった。
特に検察権力の妨害を受けていたから、やろうにもなにもできなかった。
政権をとる半年前から、毎日検察から犯罪人扱いされ、
鳩山さんもメディアに弱いから、ビビッていたのだろう。民主党全体がそうだった。
民主主義国家ではありえないことで、日本の民主主義の未熟さを思い知った。
検察や国民の一部も、田中、竹下、金丸と同じように小沢も怪しい奴だと思っていたのだろう。
全くなにも悪いことしていないのに、石川議員が逮捕され議員をやめることになり、
むちゃくちゃだった。せっかく政権交代した民主党政権がこれを活用できなかったのが残念だ。
外交安保に関連する話としての国連中心主義。
核兵器を削減した後、核兵器を国連の管理下に置くべき。
細川政権のとき、常任理事国の話を断ってしまったが、
小沢さんがもっと強くプッシュしながら進めるべきだったのではないかという問いに対して、
細川政権のときは、8党派というか、野党を寄せ集めたガラス細工のような政権だったから、
大きな仕事をあっちもこっちもということはできなかった。
だから、細川氏もそこまでは踏み込なかったのではないかと答える。
細川政権があったから、2009年の政権交代があった。
自民党以外では、細川政権の後、民主党が政権を引き継いだが、
そのときの失敗が致命的に傷を深くしているので、この傷を癒して、
野党自体が立ち上がらなくてはならない。
安倍政権の支持が落ちても野党がバラバラでは受け皿にならない。
民主党に対して毛嫌いしている人も多い。
これから、どうするのかという鈴木氏の質問に対しては、
自公に対する受け皿となる政権担当能力があるグループが存在しないと、
国民の選択のしようがない。選挙でも自民党の票は増えていないし、
前回の選挙では、2000万近くの有権者が棄権した。
この票が野党にくれば、どんでん返しになる。
安保法制や国際貢献の点と原発の高レベルな廃棄物の処理方法が
見つからないにもかかわらず、まだ原発を動かすという2つの点について
まだ結論が出ていないので、この2つの点では野党はまとまると思う。
岩手県知事選については、共産党も支援してくれるということになったので、
志位さんにお礼を言いに行った。これを国政でもやろうと言ったら、
志位さんは、あまり乗り気ではなかった。
この岩手県知事選の体制を次の参議院選挙に持ち込んだら勝てるだろう。
各党が解党して一つになるのは、難しいので、選挙のときはオリーブの木として、
一つの傘の下で戦えばいい。メディアからなにを言われても、
日本版オリーブの木構想をやれば絶対に圧勝する。
そこまでもっていくのは、至難の業だと思うが、天下の大事をなすときは、
自分のことは殺して、天下のために、国民のためにやればいいじゃないか。
岡田さんの考え方としてもそうしなくてはならないと思っていると思う。
小澤アレルギーとかなんだとか個人的な感情でやっていれば天下を成せない。
明治維新という大革命はどうして成功したかというと、
お互いに殺しあっていた薩摩と長州が手を結んで幕府を倒したから。
そのことに思いを馳せなければならない。
僕は、日本にも日本人にも希望を捨ててないから、必ずいい結果が生まれると思う。
アベノミクスの評判が悪くなっているのは、
大企業とその正規社員の人だけが儲かっているだけで、
非正規の人やその他の人は収入増えてない。
富の配分に対して、小泉政権でDNAが変質してしまった。
安倍さんは小泉さんよりもっと悪い。
このままだと日本社会が崩壊する。国民はどうしようもない状況になる。
中国の上海の株の暴落について、上海のバブルの崩壊は、どうするのか。
暴落を防ぐために、3分の1の取引を停止して、国が何兆円もの株を買い支えて
なおかつ、下げが止まらない。
中国の経済のバブルがはじけたら、いっぺんに日本や世界中が大不況になる。
日本人はのんきなことをやっていてはいけない。
どんな時代になってもみんなで力を合わせて乗り切っていかなければならない。
中国の経済では弱い面が出てきているが、安全保障の面は膨張してきている。
中国には膨張の歴史があり、覇権民族なので、
他の民族を征服して大きくなってきたという歴史がある。
中国が外に強く出てきているのは、国内、習近平政権が不安定になってきているから。
軍部や共産党の幹部の粛清をしたり、民衆の運動家を刑務所に入れたりしている。
だから、中国の問題を甘く考えてはいけない。
南シナ海とか東シナ海の問題など、中国と外交するためには
力(軍事力?)の背景がないとうまくいかないのではないか
という鈴木氏の質問に対しては、否定。
そういう問題は、国際連合で取り上げなくてはならない。アメリカがだらしない。
アメリカの力が衰えたと同時に、中国に対して腫れ物にさわるような態度をとっている。
日本のようにどうしようもないのもダメだが、アメリカのように力を持っているのに、
きちんとした物言いをしないというのはいけない。
実際、日本なんて米中に相手にされていない。
だから、安倍さんは、軍事力的に大国になりたいと思っているんじゃないか。
軍事力だけで、世界の民の尊敬はいられない。
もちろん、一定の軍事力は必要だし、
国連が必要とすれば、軍事力でも協力しなければならない。
日本は、もっと違ったあらゆる文化、経済、など、
いろいろな意味で世界中に発信して評価を受けなければならない。
軍事だけではまたいつか来た道だ。
特に以前から語っていた『オリーブの木構想』には期待したい。
問題は、野党連合がうまくいくかどうかだが、
小沢さんの自信からすると、ひょっとしてひょっとするかもしれない。
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